【コラム】楽譜コピーはなぜ問題になるのか?著作権と権利侵害の本質を解説

音楽に関わる人ならば、「楽譜コピー問題」という言葉を聞いたことがあると思います。
これについて、音楽著作権の講座講師を務める私から言わせていただくと、かなり不正確であり、問題の本質が伝わらないと思っています。

この表現だと、あたかも「コピーできるかどうか」の技術的・物理的な問題に聞こえてしまいます。しかし、本質は「著作権や民法を無視して楽譜を不正に複製・使用している」権利侵害の問題です。つまり、楽譜をコピーすることそのものが問題であるのではないのです。

正しく言うなら「楽譜の違法複製問題」または「楽譜の権利侵害問題」というべきでしょう。
言葉が曖昧だと、悪意のない無理解や「ちょっとだけならいいでしょ」という感覚を助長し、結果的に創作者や出版社への損害が放置されてしまいます。

そこで、10年近く音楽出版者を経営し、現場で気づいた点を整理したページを公開しました。

  • 市販楽譜は”著作物”を視覚化した”商品”
  • 市販楽譜コピーは著作権者と出版社の許諾が必要
  • 市販電子楽譜コピーは販売サイトの許諾も必要
  • 市販楽譜は著作権法と民法で保護される

市販されている楽譜について考える際には、「著作物」と「商品」を分けて考える必要があります。

著作権法が直接規定しているのは、作詞・作曲された音楽作品などの「著作物」に関する権利です。そして著作権法には、一定の場合に著作物の利用を認める制限規定があります。
しかし、市販楽譜は単に著作物そのものではありません。市販楽譜は、出版社(楽譜発行者)などが著作物を楽譜という形に編集・制作し、販売している”商品”(著作物を利用して作られた商品)です。購入者が手にしているのは、著作物を視覚化し、商品化した出版物です。

そのため、市販楽譜の複製や利用について考える際には、著作権法上の問題だけでなく、購入した商品の利用条件や、販売者との契約関係など、民法上の観点も考慮する必要があります

「著作権法に制限規定があるから、楽譜のコピーも自由にできる」という説明を見かけることがありますが、これは正確ではありません
著作権法の制限規定がどの権利や利用行為に関係するのかを整理せずに、楽譜コピー全般へ適用できると考えることは誤解につながります。

市販楽譜のコピーについては、著作権者、出版社、その他関係する権利者の利益を踏まえ、許諾の有無や利用目的を個別に確認することが重要です。

私が講師を務める音楽著作権実用講座では、楽譜に関係する著作権や購入、利用に関する疑問を解決できます。その他、音楽著作権について、様々な観点から考えます。音楽著作権に関する疑問を解決しましょう!

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